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  1. 京都府議会 2022-06-01
    令和4年6月定例会(第4号)  本文


    取得元: 京都府議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和4年6月定例会(第4号)  本文 2022-06-20 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 63 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 2 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 3 :  ◯警察本部長筒井洋樹君) 選択 4 :  ◯刑事部長中野崇嗣君選択 5 :  ◯警察本部長筒井洋樹君) 選択 6 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 7 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 8 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 9 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 10 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 11 :  ◯小原舞選択 12 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 13 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 14 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 15 :  ◯農林水産部長水口裕一郎君) 選択 16 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 17 :  ◯小原舞選択 18 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 19 :  ◯危機管理監壺内賢一君) 選択 20 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 21 :  ◯片山誠治選択 22 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 23 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 24 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 25 :  ◯農林水産部長水口裕一郎君) 選択 26 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 27 :  ◯片山誠治選択 28 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 29 :  ◯農林水産部長水口裕一郎君) 選択 30 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 31 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 32 :  ◯中村正孝君 選択 33 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 34 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 35 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 36 :  ◯府民環境部長(益田結花君) 選択 37 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 38 :  ◯教育長(前川明範君) 選択 39 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 40 :  ◯中村正孝君 選択 41 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 42 :  ◯馬場紘平君 選択 43 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 44 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 45 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 46 :  ◯府民環境部長(益田結花君) 選択 47 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 48 :  ◯馬場紘平君 選択 49 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 50 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 51 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 52 :  ◯馬場紘平君 選択 53 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 54 :  ◯商工労働観光部長(上林秀行君) 選択 55 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 56 :  ◯建設交通部長(濱田禎君) 選択 57 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 58 :  ◯馬場紘平君 選択 59 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 60 :  ◯建設交通部長(濱田禎君) 選択 61 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 62 :  ◯馬場紘平君 選択 63 :  ◯議長菅谷寛志君) ↑ ページの先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1: ◯議長菅谷寛志君) これより令和4年6月京都府議会定例会を再開し、直ちに本日の会議を開きます。            ───────────────────── 2: ◯議長菅谷寛志君) 日程に入るに先立ち、警察本部長から、去る6月17日付の人事異動による新任理事者の紹介を求めます。筒井警察本部長。    〔警察本部長筒井洋樹君、関係理事者議席前面に立つ〕 3: ◯警察本部長筒井洋樹君) 6月17日付人事異動によりまして、新たに理事者になりました者の御紹介をさせていただきます。中野崇嗣刑事部長でございます。 4: ◯刑事部長中野崇嗣君) 中野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 5: ◯警察本部長筒井洋樹君) 以上でございます。よろしくお願いいたします。(拍手)            ───────────────────── 6: ◯議長菅谷寛志君) 日程に入ります。日程第1、第13号議案を議題といたします。  知事に提案理由の説明を求めます。西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 7: ◯知事西脇隆俊君) 今期定例会の開会以来、議員の皆様におかれましては連日御審議いただき、ありがとうございます。  京都府におきましては、これまで感染状況に応じた対策を順次講じてまいりました。一人一人の行動の積み重ねにより、現在、感染状況は落ち着いております。この間の府民の皆様、事業者の皆様の御理解と御協力に対し厚く御礼申し上げますとともに、医療現場の第一線で御奮闘いただいております医療従事者の皆様に、改めて心から感謝を申し上げます。  しかしながら、市中感染は依然として続いておりますので、引き続き府民の皆様には、感染しない、感染させない、感染を広げないということを常に意識した行動を取っていただきますよう、お願いいたします。  それでは、今回、追加提案させていただいております議案について、その概要を御説明申し上げます。  第13号議案令和4年度一般会計補正予算については、6月以降の相次ぐ食品の値上げなど物価の高騰が進むとともに、円安の進行や原油価格の高止まりが続き、家計や事業者への影響は予断を許さない状況が続いていることを踏まえ、特に影響を受ける方々への緊急的な支援として、時期を逸することのないよう、追加で必要な施策を講じるため編成したものであります。  具体的には、家計が苦しい中においても豊かな教養を育むことができるよう、府内の未就学児に対し図書カードを配付するとともに、燃料費高騰の影響を受けるトラックやバスをはじめとする道路運送事業者に対する支援を行うほか、私立の幼稚園・保育所、社会福祉施設等の省エネ化に資する空調・換気設備の更新などへの支援を実施することとしております。  以上、補正予算案の総額は19億5,600万円であります。  御議決いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 8: ◯議長菅谷寛志君) これより質疑に入りますが、通告がありませんので質疑を終結いたします。
     お諮りいたします。  ただいま議題となっております第13号議案については、予算特別委員会に付託することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と言う者あり〕 9: ◯議長菅谷寛志君) 御異議なしと認め、そのように決定いたします。            ───────────────────── 10: ◯議長菅谷寛志君) 次に日程第2、一般質問を行います。  まず、小原舞議員に発言を許可します。小原舞議員。    〔小原舞君登壇〕(拍手) 11: ◯小原舞君 府民クラブ京都府議会議員団の小原舞です。よろしくお願いいたします。  まず、産後ケアの充実についてお伺いいたします。  産後ケア事業が法制化され、母親の身体的回復、心理的な安定を図り、母子の愛着形成や生まれてきた子どもが幸せになるための仕組みをつくることの重要性が問われています。  日本では、令和2年度に実施された調査において、1歳未満の乳児を持つ母親の約24%に産後鬱の可能性があることが示されており、急に涙が出てきたり、いらいらする、過度の不安、不眠、気力の減退などの症状が現れ、産院退院後の悩みや孤立からもたらされる育児不安等は、第2子以降の出生行動に影響を与え得るといった指摘や、自傷行為や自殺、児童虐待の問題にも関わっているとの指摘があり、退院後の母子にできる限り早期の接触を図り、必要な支援につなげることが必要であると言われています。  先日、舞鶴市内にて「ひろば会」に参加させていただきました。ひろば会とは、舞鶴の子育て支援を担う発起人によって平成21年に設立され、産前から子育て環境について考え、よりよい働きかけのできる子育て支援者としての資質の向上に努めるための研さんし合う場として活動し、「支援者がつながることが子育て環境向上につながる」として、多職種の支援者の顔の見えるつながりづくりを実践されています。子育て支援基幹センター、保健所等の行政職員や助産師会、子育て支援団体、理学療法士、産後指導士など、約30名のメンバーで2時間かけて自己紹介のワークをすることでお互いの子育て支援の活動内容や現場での課題等を共有化し、現場で支援に関わる方々から現状を伺う機会を得られました。  妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を提供する中で、特に出産直後の母親に対するケアが不足しており、支援を必要とする母親を産後ケアにつなげるには、多職種連携によるきめ細やかな支援が必要ではないかと思われます。現在、産後ケア事業は市区町村の努力義務として全国展開されてきていますが、支援を必要とする全ての産婦を確実に拾い上げて、必要な支援に結びつけていくためのシステム構築が必要だと言えます。  産後の母親は、ホルモンバランスの乱れや生活環境の激変、慣れない育児のストレス等によって不調を起こしやすく、長野県須坂市では、医師、看護師、保健師等多職種の連携で妊娠中の母子健康手帳交付時から退院時、保健師による家庭訪問時や新生児健診時等に、全ての妊産婦に繰り返し「エジンバラ産後うつ病質問票」に答えてもらい、産後鬱を防ぐ取組が行われ、そこで抽出されたハイリスクな妊産婦について、多職種間での検討会を設けて、必要な支援につなげています。この須坂モデルでは、母親の精神の安定が期待でき、産後鬱リスクを低下させることが実証されており、長野県では同様のシステムを全市町村展開する取組を進め、他県にも広がりを見せているところです。  また、産後鬱予防や新生児等への虐待未然防止を図るため、平成29年以降、産後2週間、1か月など2回まで産後間もない時期に産婦健康診査が公費補助されるようになり、本府では22市町村が導入しています。要支援産婦を必要な支援につなげるには、産婦健康診査事業の普及が効果的とされ、行政と医療の情報連携や多職種によるきめ細やかな支援を行うために、保健所や都道府県による実態調査や市町村への伴走支援が必要かと思われます。  産後の女性を包括的に支援できるよう、医師、助産師、保健師、看護師、保育士、栄養士、薬剤師、理学療法士、臨床心理士、産後ドゥーラ、育児支援サポーター、企業等の様々な地域の支援者の連携が求められ、子育てのスタート期である産後のケアの充実が、ひいては母子ともの長期的な社会的・心理的健康につながっていきます。  そこで、本府においては、産後ケアにおける多職種連携の必要性についての御見解と今後の取組についての御所見をお伺いいたします。  また、昨年の9月定例会の一般質問では、「市町村の産後ケア事業の取組は広がってきているが、サービスを提供できる医療機関が限られるなど、市町村ごとの状況に差があるため、京都府としての産後ケアの土台となる環境整備と人材確保を図る必要がある」と御答弁をいただいています。その具体的策として、「ホテル・旅館を活用した産後ケア事業の受け皿整備を進めるとともに、事業実施に必要となる助産師等の専門職の派遣体制やサービス提供内容を定めた運営マニュアルを整備するなど、妊産婦を支援する体制を強化する」とのことでしたが、これらの事業の進捗状況と課題についてお伺いいたします。  今後の展望として、産後ケア事業の条件緩和により、ローリスクでも産後ケアが受けられたり、妊産婦のニーズや状況に応じた多様なケアの提供など、母親の心と体のケアの必要性が周知され、出産した女性が産後ケアに気軽にアクセスできる環境づくりを期待いたします。  また、今回の補正予算で、「子育て環境日本一推進条例(仮称)」の制定に向けた子育て環境に関する実態調査の実施等条例の検討に要する経費が上げられていますが、子育てのスタート期である産後期における実態や支援ニーズについても調査いただくよう要望いたします。  次に、耕作放棄地対策と担い手支援についてお伺いいたします。  日本の将来推計人口では、65歳以上の高齢者人口は、団塊ジュニア世代が高齢者になった後の2042年にピークを迎え、2050年には全国の約半数の地域で人口が2015年対比で50%以上減少し、うち2割が無居住化すると言われています。人口減少は国力の衰退の元と言われますが、昨今のコロナ禍の影響に加え、ロシアのウクライナ侵攻の長期化が日本の農業や食料安全保障にもさらなる危機感を与えています。  このような中、今年、京都府総合計画の見直しが行われますが、京都府の農業を取り巻く環境や農山村をめぐる情勢変化や施策の評価についても、新たに地域の実情を反映した施策展開なども必要になってくるのではないかと思われます。  令和元年に策定された京都府総合計画を踏まえた「京都府農林水産ビジョン」によると、京都府の農業の特徴として、耕地面積約3万ヘクタールのうち約8割を水田が占め、府域の約7割が中山間地であるため、1集落当たりの耕地面積や1経営体当たりの耕地面積が小規模であることが挙げられます。  このたび国において、地域の農地利用の将来像を描く「人・農地プラン」が地域計画として法定化される農地関連法が、参議院本会議で可決されました。地域計画の策定には、市町村が中心となって集落に入って人と農地の問題を解決するために役割を果たしていくことになり、アンケートの実施・調査や話合いを通じて地図による現況把握を行い、中心経営体への農地の集約化に関する将来方針を作成することになりますが、人・農地プランの作成支援において、現地の推進役となる市町村等には多大な労力が必要となり、マンパワーが不足していることが課題に挙げられます。地域計画策定の詳細は決まっていないものの、長期間かかる話合いの経費補填なども必要になってくるのではないかと考えます。  国の「人・農地将来ビジョン確立・実現支援事業」では、集落・地域における話合いをコーディネートする専門家の活用等の市町村による取組の支援策がありますが、人・農地プランの実質化に係る市町村のマンパワー不足に対する本府としての支援策や、農地中間管理事業を実施する京都府農業会議とどのように連携して農地を集積し活用していくのかについて、御所見をお伺いいたします。  また、府内の荒廃農地は令和2年時点で3,129ヘクタールであり、この5年間で136ヘクタール増え、年々増加傾向にあります。先日、里山整備の活動のため集落に入り、耕作放棄地対策として中山間地域等直接支払制度を活用して耕うんやあぜ道の草刈りなどを行い、作付けはしない農地を管理しておられる方から現状を伺うと、高齢化が進んで、あと数年もすれば管理できなくなり、荒廃した土地がさらに増えていくことを危惧されていました。  基盤整備がなされず条件不利地においては、今後さらなる土地の荒廃が見込まれる中、短期間で伐採ができる早生樹などを木材を搬出しやすい荒廃農地などに植栽し、バイオマスとしての活用を検討するなど、荒廃農地の活用策も考えていく必要があります。このように緩衝地帯(バッファゾーン)をつくり、人が定期的に入ることによって、鳥獣被害対策にもつながると思われます。  また、小規模であっても農地耕作条件改善事業等を活用して農地集積を進めるために、暗渠排水や区画拡大などの生産基盤の整備支援がありますが、姻戚関係でもない担い手のために、出し手である農家が自腹で費用負担をすることはあまり考えられず、小規模であっても集積化や圃場整備が必要な集落・地域においては、出し手の自己負担がゼロになるような制度を国に求めるか、府が上乗せして支援するような事業によって農家、担い手支援を行うなどの事業があれば、集積化が進み、農地が生かされるのではないかと思います。  京都府が目指す方向として、「次代の担い手に府内の農地の過半が集積・集約されるような農業構造をつくり、中山間地域が多く、担い手不足の深刻化が予測される地域において法人化や周辺組織との広域化を進め、持続可能な農業経営を図る」とありますが、一方で、法人化や広域化、共同化、6次産業化等というリスクを取らず個人事業主として中山間地で頑張って農業をしたいという担い手にも支援が欲しいという声も上がっています。  また、南丹市のように、今年の5月から、小規模農業を始めたいなどというニーズを踏まえ、農地取得面積を1,000平方メートルから1平方メートルに緩和し、全国で初めて空き家を条件から外し、耕作放棄地対策や移住者誘致に取り組まれるなどの新たな試みも出てきております。京都府の農業就業人口は、直近10年で4割が減少し、全国と比べても高齢化が進行しており、また2010年には2万3,049人だった基幹的農業従事者数は、2030年には7,329人となり、20年で約7割もの減少となると言われています。  このような状況の中、中山間地が多く耕作面積が小規模という本府の地域特性を踏まえて、今後、どのように耕作放棄地対策や担い手支援を行っていくのか、現状認識と今後の展望についてお伺いいたします。  まずは、ここまでの御答弁をよろしくお願いいたします。 12: ◯議長菅谷寛志君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 13: ◯知事西脇隆俊君) 小原議員の御質問にお答えいたします。  産後ケア事業の多職種連携についてでございます。  出産直後の女性は、ホルモンバランスが急激に変化しやすいことに加え、核家族化の進行、地域のつながりの希薄化により気軽に相談できる人が周囲におらず、育児に関する不安や悩みを抱えやすいことから心身の不調が起こりやすい状況にございます。このため、妊産婦の身体的な回復と心理的な安定を図る産後ケア事業の実施が重要となってきており、市町村が行う母子保健事業の主要な柱となっております。  産後ケア事業の実施に当たり、多様化する妊産婦のニーズに適切に対応するためには、議員御指摘のとおり、医師、看護師、助産師、保健師などの専門職と地域の子育て支援団体等が連携して、妊娠期から子育て期まで切れ目なく支援できる仕組みをつくることが重要でございます。京都府といたしましても、地域の子育て環境の向上を図るため、人材育成や子育て支援団体の活動支援などにより市町村の取組をしっかりと支えていきたいと考えております。  具体的には、助産師、保健師などの専門職や育児経験者等を対象に研修を行うことにより、妊産婦一人一人の事情に応じたケアプランの作成を担う「産前・産後ケア専門員」や、子育て家庭へ訪問支援を行う「産前・産後訪問支援員」を独自に養成しております。併せて、医療機関や学校、さらには企業等の異業種団体と横断的に連携し子育て支援に取り組む団体の活動を支援するなど、地域において様々な職種の人材が一体となって妊産婦を支える仕組みづくりを進めてきたところでございます。  今後も、こうした取組により地域の様々な職種の人材や子育て支援団体等と連携した妊産婦への支援を行ってまいりたいと考えております。  また、妊産婦への支援強化の進捗状況についてでございますが、昨年度、京都府助産師会と連携し、ホテル・旅館を活用した産後ケア事業の受け皿の整備と運営マニュアルの作成に取り組みました。その結果、府内全体で12か所のホテル・旅館に協力いただくことができ、またこれまで産後ケア事業を実施できていなかった市町村で新たに事業が開始されるなど、妊産婦への支援の充実に一定の成果を上げました。  また、産後ケア事業の利用についても、令和3年度に始めた利用者自己負担額の軽減の効果もあり、利用者数が前年比で1.4倍になるなど、利用の裾野は広がってきております。一方、産後ケア事業を利用された方からは、「これまで一人で悩んでいたが、他の人を頼ってもいいんだと考えられるようになった」との声もいただいているところであり、支援を必要としながらも事業を利用されず一人で悩んでいる方が他にもおられるのではないかと考えております。そのため、妊産婦健診などの機会を活用し、事業の内容をお知らせするなど、引き続き周知に取り組んでまいりたいと考えております。  また、産後ケア事業が可能となるホテル・旅館を複数の市町村で広域的に利用できるように調整するなど、出産後の母親が産後ケアにアクセスしやすい環境づくりを進めてまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。 14: ◯議長菅谷寛志君) 水口農林水産部長。    〔農林水産部長水口裕一郎君登壇〕 15: ◯農林水産部長水口裕一郎君) 耕作放棄地対策と担い手支援についてでございます。  京都府では、農業者の減少と高齢化が急速に進む中で、将来の展望が描けない地域が増えていることから、農地を次代の担い手に引き継ぐための「人・農地プラン」の作成が急務になっております。人・農地プランは、地域において将来の農地利用に関するアンケート調査や農業者等による徹底した話合いを通じて、就農者や後継者の確保状況を地図上で把握し、おおむね5年から10年後に地域の過半の農地を中心経営体に集約化する方針を定めるものでございます。  プラン作成に当たっては、市町村のマンパワーが不足しており十分な対応ができないこと、複数地域にまたがる耕作者や出入作者が多く、地権者の意見聴取に時間を要すること、地域を牽引するリーダーや農地を受け継ぐ担い手がいないことなどの課題があり、平成24年度から開始した京都府におけるプランの作成状況は、令和3年度末時点で府内全集落の55%に当たる934集落にとどまっております。  また、今後さらに農業者が減少し、耕作放棄地の拡大が加速することを懸念し、さきの国会で農業経営基盤強化促進法等が改正され、人・農地プランを市町村が策定する地域計画として法定化することとなっており、今後、関連する施策の充実が図られるものと考えております。  こうした状況を受け京都府では、まずは、議員御指摘の市町村のマンパワー不足への対応につきまして、京都府農業会議に設置しております「現地推進役」の増員を検討しているところであり、併せて国に対しては、市町村への専門的人材の配置にかかる経費の支援などを要望しているところでございます。  また、複数地域にまたがる耕作者や出入作者が多いことへの対応につきましては、昨年度、府農業会議や関係機関・団体が連携した「集落営農100ha農場づくり推進チーム」を創設したところであり、今後は広域での支援体制を強化してまいりたいと考えております。  さらに、将来の担い手を確保するためには、地域外から人材を確保することが重要なことから、農業大学校の卒業生や定年帰農者、就農を希望する移住者等が地域に定着する仕組みづくりを行っているところでございます。具体的には、担い手の受入れを希望する地域に対しまして、小規模な基盤整備等により農地を集約化し、高収益作物等を導入するとともに、担い手養成実践農場の制度により、住居の準備や技術指導など受入れから定着までの一貫したサポート体制を提供しているところでございます。  次に、地域リーダーの確保につきましては、地域を牽引するリーダーの育成を目的とした京都農業経営塾に取り組んでおり、引き続き研修活動を強化するとともに、京都府生涯現役クリエイティブセンターとの連携により、地域外からも幅広い人材を確保してまいりたいと考えております。  今後とも、市町村とともに普及センターや現地推進役などが協力し地域が抱える課題にきめ細かく伴走支援することで、耕作放棄地対策と担い手支援に取り組んでまいります。 16: ◯議長菅谷寛志君) 小原舞議員。    〔小原舞君登壇〕 17: ◯小原舞君 御答弁ありがとうございました。まさに御答弁いただいたように、母親が一人で悩むことがないように、産後ケアにアクセスしやすくなるよう、また周知のほどよろしくお願いいたします。  まさに、子育て家庭が孤立しないように、社会全体で子育てをする風土をつくっていく必要があると思っております。子育ては大変だけれども、いろんな人に支えてもらって楽しかった、よかったと言えるようになることが、これからの世代に対しても子育てのイメージをよくしていくことにつながると考えます。今後も、産後ケアについて取り組んでいきますので、よろしくお願いいたします。  農業についてでございますけれども、先週の土曜日に、舞鶴の多門院という地域で中山間地域等直接支払制度及び多面的機能支払制度による休耕地の維持管理作業の現場に入らせていただきました。草刈り機を使わせてもらいましたけれども、本当に数分間で汗だくになるほどの重労働で、草刈りから草寄せ、焼却、耕起作業、トラクターによる荒起こし作業とかは、6月中旬から7月中旬にかけて行われて、今回は約20人の方が3班に分かれての作業でした。参加者の方からは、「あと5年もすれば高齢化で作業もできなくなるだろう」「田んぼも畑も赤字になっても農地を守るという使命だけで何とか続けているという状況だ」と伺いました。改めて、地方の美しい田園風景は、このような地域の方々の汗と努力によって成り立っていることを実感いたしました。引き続き、担い手支援も含め、よろしくお願い申し上げます。  最後に、災害時の避難道路の整備についてお伺いいたします。  地元舞鶴市は、府県境に原子力発電所が立地し、府県境を越えてPAZ(高浜発電所からおおむね5キロ圏内)を有する全国で唯一の自治体であり、令和4年4月時点でPAZ内は494人、発電所からおおむね30キロ圏内のUPZには舞鶴市内がすっぽりと入り、7万7,934人が暮らしています。万が一、原子力災害が起こったときは京都府の避難路については、福井県からの流入車両による渋滞対策のほか、UPZ内住民の舞鶴市、福知山市、綾部市、宮津市、南丹市、京丹波町、伊根町は、京都府内及び兵庫県、徳島県において避難先を確保することになっており、その輸送手段は75%がバス、自家用車が25%で想定されています。住民避難計画のさらなる実効性向上のため、狭隘(きょうあい)箇所の解消など、避難路の整備が急務となっています。  そこで、電源立地地域対策交付金等を活用した原子力災害時避難道路整備事業の府道舞鶴野原港高浜線、府道田井中田線、PAZ内に入る松尾地区の府道松尾吉坂線と市道松尾杉山登尾線の進捗状況と効果についてお聞かせください。  平成28年の舞鶴市にて開催された9月定例会にて、史上初となる京都府議会北部開催での代表質問において防災対策について質問いたしましたが、京都府議会の北部開催は、30年以内に70%の確率で起こると言われている南海トラフ巨大地震、花折断層など、京都市内部の震災という有事を想定した本会議でありました。  舞鶴が海軍鎮守府として開庁して121年になりますが、その選ばれた理由は、湾口が狭く防御に適し、湾内は波が静かで通年の平均の干満差が30センチ以下の天然の良港であるからです。また、舞鶴は地理的に地震発生の確率が少ない地域として知られ、平成28年の地震調査研究推進本部の調査によると、30年以内に震度6弱以上の地震発生率はおおむね0.1%から3%未満とされており、南海トラフ巨大地震等が起こったときの避難場所として、関西圏からの流入車両による渋滞対策や日本海側国土軸の一翼を担い、災害時の代替ルートとして機能を果たすための機能強化が求められます。  また、関西経済圏における日本海側ゲートウエーとしての京都舞鶴港は、貨物取扱量の増加や航路の拡充を見据えた、舞鶴国際ふ頭の第2バース及びII期整備や大型クルーズ船の寄港に対応できる第2ふ頭などを整備し、京都舞鶴港から高速道路へのアクセス機能強化のため、国道27号西舞鶴道路、臨港道路上安久線の整備等が進み、海自関係機関としては海上自衛隊舞鶴地方総監部、舞鶴航空基地、第八管区海上保安本部がある唯一の都市であり、京都北部には福知山市に陸上自衛隊、京丹後市に航空基地がある国防の拠点として、広域的な災害対策支援拠点となり得ます。  さらに、本年5月には、5市2町による京都府北部地域連携都市圏形成推進協議会は、災害発生時の相互支援協定を結び、北部地域の防災機能の強化を図っています。  このような中、舞鶴若狭自動車道は、日本海側拠点港に選定されて以降の京都舞鶴港からの物流の伸展や東日本大震災を受けての原子力災害時の広域避難路としての観点から、2018年に綾部パーキングエリアから舞鶴西インターチェンジ4車線化、2021年には福知山インターから綾部インターの4車線化が完成しましたが、いまだ舞鶴西インター・舞鶴東インター間は、暫定2車線のままで本来の高速道路機能を十分に発揮できておらず、優先整備区間にも選定されていないのが現状です。この区間の早期の全線4車線化は、圏域全体の国防・防災機能の強化が図られることはもちろんのこと、人流・物流が促進されることによる地域経済の活性化の側面でも重要であると言えます。広域避難の観点から、舞鶴若狭自動車道全線4車線化の早期実現についての本府の御見解と得られる効果について、お聞かせください。  以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴いただきまして、ありがとうございました。(拍手) 18: ◯議長菅谷寛志君) 壺内危機管理監。    〔危機管理監壺内賢一君登壇〕 19: ◯危機管理監壺内賢一君) 災害時の避難道路の整備についてでございます。  議員御指摘のとおり、舞鶴市はほぼ全域が原発から約30キロ圏内で、避難計画策定義務のあるUPZに含まれ、さらに市の一部は高浜原発から約5キロ圏内で、放射線が放出する前の段階から予防的に避難等を行うPAZとなっております。  そのため、緊急事態に備えた本地域の避難路整備は大変重要であることから、避難路整備の財源確保を国に強く要望してまいりました結果、平成29年度から電源立地地域対策交付金が増額され、またモデル事業であった緊急時避難円滑化事業が令和3年度から恒久化されたところであり、これらの事業を活用した避難路整備を進めているところでございます。  まず、府道舞鶴野原港高浜線及び府道田井中田線については、緊急事態が発生した場合、PAZに準じた避難体制を取ることとなる大浦半島の野原地区や田井地区等の避難路となりますが、離合困難な箇所がございますため、これまでから早期解消に向けた整備を行ってまいりました。現在、両路線合わせて約1キロの区間で拡幅工事を完了したところであり、引き続き用地買収等を完了した箇所から整備を進めてまいります。  次に、PAZ内にある松尾地区などから国道27号までの避難路となる府道松尾吉坂線についてでございますが、狭隘区間が多いため、現在、解消のための拡幅整備に向け用地買収等の準備を進めているところでございます。  さらに、この府道に接続する地区内の舞鶴市道松尾杉山登尾線についても、離合困難箇所があるなど避難路としての整備の必要性が高かったところ、昨年度から国の緊急時避難円滑化事業の新規採択を受け、狭隘部分の拡幅や避難時の誘導看板の設置などを行うこととしています。  今後とも、舞鶴市と連携・協力しながら、避難路整備を急いでまいりたいと考えております。  次に、舞鶴若狭自動車道につきましては、京都府をはじめとする関係自治体が強く要望を継続してきました結果、平成26年に全線開通、その後、福知山インターチェンジから舞鶴西インターチェンジ間約16キロが4車線化されるなど、NEXCO西日本により着実に整備が進められているところでございます。  京都府域で残る舞鶴西インターチェンジから舞鶴東インターチェンジ間の4車線化につきましては、災害時の緊急輸送道路でもあり、避難や物資輸送の大動脈として機能するとともに、原子力災害時においても円滑な広域避難に必要不可欠であるため、引き続き関係自治体と連携して要望活動を行うなど、早期実現に取り組んでまいりたいと考えております。 20: ◯議長菅谷寛志君) 次に、片山誠治議員に発言を許可します。片山誠治議員。    〔片山誠治君登壇〕(拍手) 21: ◯片山誠治君 自由民主党の片山誠治であります。今回は、府内の農業に関する問題として、京都府内の米生産と需給についてと、ため池の防災・減災対策についての2点について、知事並びに関係理事者に質問します。  まず初めに、京都府内の米生産と需給について伺います。  京都府における米の需給状況については、外食需要の低迷や観光客の減少など、長引く新型コロナウイルス感染症の影響からいまだ回復しておらず、地元の米穀店からも、飲食店への販売状況が厳しく在庫過剰の状況であるとの声をお聞きしてきたところであります。この米余りの状況から、昨年秋には、令和3年産米の生産者買取価格は全国的に大きく下がり、京都においても前年比約20%低下するなど、京都の約1万戸の米生産者の経営に打撃を与えることとなりました。  この状況を受け、京都府では速やかに昨年9月補正予算で「京の米」流通促進緊急対策事業を創設し、生産者自ら取り組む新たな販路開拓やJA等の流通事業者が行う販路確保の取組を通じて、米農家への追加払い等支援をしていただき、生産者からは「今年の肥料など資材購入に対応できて助かった」などの声をお聞きしているところであります。  一方、肥料原料は世界の穀物相場の上昇から高い需要が継続していますが、作物生産に必要な原料の主要原産国である中国の輸出規制やコロナ禍によるコンテナ船の稼働率の低下、さらには原油価格高騰に伴う輸送費の増加などにより、JA全農が取り扱う令和4年春の肥料の価格は最大17.7%も増加しております。  さらに、ウクライナ侵攻に対するロシアへの経済制裁による輸出停滞のため、カナダ等、限られた代替国に世界中から需要が集中したことに加え、急激な円安の進行により、JA全農が発表した令和4年秋の肥料(6月から10月)の取扱価格については、春と比較してさらに25%から90%以上も増加することが発表され、農業経営に大きな打撃となることを心配しております。  このように、米生産を取り巻く環境は非常に厳しい状況でありますが、そもそも日本の主食であるお米の消費量が長らく減少傾向にあり、具体的に申しますと、農林水産省の公表データによれば、全国ベースの需要量は人口減少や高齢化等を背景に毎年10万トン程度減少しており、国民1人当たりの年間消費量は、令和2年で約50キログラムと昭和38年のピーク時の約4割程度まで減少している状況で、消費者の顕著な米離れが進んでいる状況となっております。  こうした中ですが、京都府内の米消費量の半分程度しか生産できていない実態を踏まえますと、消費者の求めるおいしい米作りに今後もしっかりと取り組んでいく必要があると考えております。  一方、このような厳しい米の情勢の中、国では、水田活用の直接支払交付金を措置し、主食用米から麦、大豆、飼料用米、野菜等の高収益作物への転換等を促している状況であります。京都府においても国の交付金を活用し、これまでから、京都府特産の小豆、大豆「紫ずきん」などの黒大豆、府内酒造メーカーと結びついたオリジナル酒造原料米「京の輝き」の生産支援に取り組んでこられ、マーケットインによる需要の高いものづくり振興が図られてきたところですが、コロナ禍の影響から特産品目のこれまでの需給の見通しを変更せざるを得なくなり、昨年12月に府内農業者への品目ごとの新たな需給見通しを提示されるに当たっては、食品関係事業者等との協議に御苦労されたのではないかと感じております。  こうした中、私の地元の南丹市の若手農家は、飲食店等との直接取引の拡大による米の有利な販売や、米から高収益作物である九条ねぎへの転換を精力的に進めるなど、経営の安定化に向けて努力をされており、今後も、頑張る農業者への農業改良普及センターによる伴走支援や支援制度の継続をお願いしたいと考えておるところであります。  国の示す主食用米の需給見通しでは、全国のお米の需要減少と過剰在庫の増加を受け、今年の主食用米は全国で21万トン、面積で3.9万ヘクタール、京都の主食用米作付面積の約3倍の作付転換が必要とされていますが、4月末時点の集計では、約3.5万ヘクタールの減少見込みであり、引き続き作付転換の推進が必要な状況であると伺っております。  京都府においても、品目転換や担い手の減少、高齢化等もあり、主食用米の作付面積が毎年約100ヘクタール減少していると伺っており、農家経営の安定化を図るため、主食用米から他品目への転換は重要であると考えておりますが、パイプハウスの設置や新たな作業機械の整備が必要となれば経済的負担が増加するため、米生産者が現在保有している稲作用の田植機、コンバイン、乾燥機械等を可能な限りそのまま有効活用することができる、主食用以外の品目転換が必要であると考えているところであります。  そこでお伺いいたします。  昨年の米価の下落に加え、ウクライナ侵攻等の海外情勢を受け肥料や燃料が高騰し、稲作農家の経営を圧迫している状況であり、まずはこの厳しい環境下を乗り切り、京都の米作りが持続的に継続されるよう、今後、どのように展開されようと考えておられるのでしょうか。また、農家経営の安定を確保するためには、品目転換を組み合わせた農業収入確保も必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。  また、お米の消費については、近年の健康志向の高まりや簡易な調理を求める傾向があることから、糖質の高いお米を炊飯し食べることを敬遠する傾向もあり、発芽米など低糖質米の販売や糖質カット炊飯器が開発され販売もされております。さらに、パック御飯も販売が好調であると聞いておりますが、高品質で良食味な京都米はまだまだPRや販路拡大など、工夫して取り組む余地があるのではないかと考えております。  そこでお伺いいたします。
     食環境の多様化が進む中、改めて主食用の京都産米の需要拡大に向けた取組を強化する必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。  まず、ここで答弁を求めます。 22: ◯議長菅谷寛志君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 23: ◯知事西脇隆俊君) 片山議員の御質問にお答えいたします。  府内の米生産と需要拡大についてでございます。  米は主食であり、京都府農業を支える重要な農産物として、家族経営体から集落単位の営農組織まで幅広い経営体で生産が続けられていることから、今後も安定した稲作経営が継続されるよう支援していくことが必要でございます。  京都府では、高級品を求める消費地を抱えるメリットを生かし、高い栽培技術を発揮したおいしい米作りに取り組んでおり、丹後コシヒカリは食味ランキングで特Aを繰り返し獲得してきたほか、昨年は丹波コシヒカリや山城ヒノヒカリも特Aを獲得するなど、成果が出てきております。また、おいしさに加え、化学肥料や農薬の使用を通常の半分以下に減らす、環境と調和した安心・安全にこだわった栽培を推進してまいりました。こうして作られた特別栽培米は、コロナ禍で市場における取引価格が下落する中にあっても、消費者の信頼感は高く、安定した価格で取引されております。  今後の稲作経営の安定化のためには、高品質で安心・安全な付加価値の高い米生産と規模拡大による経営合理化を進めることが重要であり、加えて、長期化する肥料・資材高騰に対応した生産コスト低減にも取り組む必要がございます。  まず、高品質化に向けては、京の料理人と共に開発した、高温でも食味がよいオリジナル品種「京式部」の生産拡大を進めてまいりました。本年は、昨年の約10倍の100ヘクタールに面積拡大をしており、今後も関係団体一丸となって生産・販売を推進してまいりたいと考えております。  さらに、消費者から高い評価を得ている、環境に配慮した安心・安全な京都産米の生産を強化するため、本年2月に御議決いただいた補正予算によりまして、化学肥料に代わり耕畜連携による有機質肥料の利用を促進するなど、循環型農業への転換に向けた取組を支援しているところでございます。  また、循環型農業への転換は、高騰する輸入化学肥料に頼らない、低コストな生産にもつながることから、本年5月に御議決いただいた補正予算により、府内産有機質肥料への切替えと利用促進を一層進めることとしております。  生産コストの低減に向けましては、府内全域で農地の集積やスマート農業機械の導入による生産性の向上を図ってまいりました。しかしながら、担い手不足が一層進むなど、さらなる農地集積が求められているため、昨年度から始めた「100ha農場づくり事業」の取組を本格化させ、地域農業を支える集落営農組織の経営を強化してまいりたいと考えております。  次に、農家経営の安定化のためには、議員御指摘のとおり、他品目と組み合わせた水田フル活用による収益向上も重要でございます。既に、地域の特性や経営規模等に応じて、ブロックローテーションによる米と麦、小豆を組み合わせた2年3作体系の推進や、九条ねぎや紫ずきんなどの高収益品目への転換を推進しているところでございます。  こうした品目転換においては、初期投資をなるべく抑え収益を確保することも重要であることから、米作りの機械設備が利用できる小麦が有効でございます。京都府産小麦は需要も旺盛なことから、生産拡大を図ることとし、今定例会に水田の畑地化や作業の省力化支援に必要な予算を提案しているところでございます。  今後とも、米生産を持続的に発展させますとともに、水田をフル活用した農業生産を展開することにより、農家経営の安定化を図ってまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。 24: ◯議長菅谷寛志君) 水口農林水産部長。    〔農林水産部長水口裕一郎君登壇〕 25: ◯農林水産部長水口裕一郎君) 京都産米の需要拡大についてでございます。  高品質で付加価値の高い京都産米振興の重要性は先ほど知事が答弁いたしましたが、こうした価値に見合う高価格帯で取引される市場をはじめ、新たな需要を生み出す中食や海外市場の開拓が必要と考えております。  高価格帯の市場開拓につきましては、高い購買力を持つ首都圏をターゲットに、まずは京都産米の知名度を上げブランドとして定着させることが重要なことから、百貨店などでのPRや販売フェアを開催するとともに、継続した販売につなげるためバイヤーとの商談会などを実施することとし、今定例会に必要な予算案を提案しているところでございます。  中食市場につきましては、コロナ禍において京都産米をはじめ京都の食材を活用した、高級ミールキットと宇治茶などをセットにした「京の食プレミアムフード」が好評を得ているところでございます。今後も、こうした京都産米の本来の味を生かした高級中食や新商品を開発してまいります。  さらに、海外市場に向けては、香港などに加え他の国にも展開できるよう、食に関する異業種連携の場であります「京都食ビジネスプラットフォーム」における取組を支援してまいります。  今後とも、京都産米の一層の需要拡大に向けて取組を強化してまいります。 26: ◯議長菅谷寛志君) 片山誠治議員。    〔片山誠治君登壇〕 27: ◯片山誠治君 御答弁いただきました。高品質の京式部、私も頂きまして、大変おいしいお米でありますし、また今、大変な円安でありますから、海外にお米が有利に売れていくんじゃないかなというふうに感じていますので、一層の御努力をお願いしたいと思います。  お米ですけれども、実は日本というのはお米の国であります。日本人がお米を食べなくなったのを私は大変悲しく思っておりますし、また米文化が消えていくのを大変憂いておる一人であります。  ここで時計の針を少し戻しまして、時は平成から令和に移行したときです。令和元年、日本人の最も関心を集めた宮中行事、大嘗祭です。いわゆる王位継承の儀式であります。その背景を知ると、天地の神々を敬い、自然と結びついて生きる敬けんな日本の心が浮かび上がってまいります。お米の国・日本ならではの美しき習わしであります。大嘗祭とは、宮中での恒例の祭祀で、新嘗祭を新天皇が即位して初めて行う祭の名称であります。通常の新嘗祭よりも大規模に行われます。  ここで農耕にまつわる宮中祭祀についてお話をします。まず、2月17日、祈年祭、その年の五穀豊穣を祈願する。10月17日、神嘗祭、その年の新穀で造った神酒と神饌を伊勢神宮に奉る。11月23日、新嘗祭、全ての神々に新穀を供え感謝をささげた後、自らも食する。まず、この10月17日の神嘗祭で、伊勢神宮すなわち天照大神にその年に取れた新米をささげ、さらに新嘗祭で全ての神々に新米をささげてから、天皇陛下も召し上がるという順番になっております。新嘗祭では、新米を炊き、神酒の白酒(しらき)や黒酒(くろき)をささげ、神様とともに頂くのです。新嘗祭までは新米を食べることを慎むのが習わしとされております。  代替わりの一大行事である令和の大嘗祭のこの儀式のために、皇居内に大小約30棟の建屋で構成される大嘗宮が造営され、中には東西2つの祭場があり、それぞれに東日本、西日本から選ばれた地域で育てられた新米がささげられます。東の祭場、悠紀(ゆき)殿には栃木県、西の祭場、主基(すき)殿にはこの京都府が選ばれました。ちなみに、この地域を決めるのは亀の甲羅を用いた亀卜(きぼく)という古式ゆかしい占いで決めます。  その京都府の新米が、なんと我が南丹市八木町の水田で取れたお米であります。その水田を京都府警に警護いただきました。要人の警護じゃなしに、水田を警護していただくという大変京都府警にはお世話になり、ありがとうございました。  このような一連の厳かなる儀式からは、農耕民族の日本人にとっていかにお米が大切であり、無事に実りを得ることが生死に関わる大ごとだったかが分かります。神様に先に召し上がっていただくという慎み深い姿勢も、美しい日本人の心であり、お米は日本人の魂であります。皆さん、お米を食べましょう。  次に、ため池の防災・減災の対策についてお伺いいたします。  6月に入り梅雨の季節となりました。大雨に対するため池の安全管理対策が必要な時期となりましたが、ため池は水田農業を主体としてきた農村地域において重要な施設であります。特に、降水量が少なく、大きな河川や谷の渓流など多くの水量を見込めない地域などにおいては、農業者が自ら農業水源を確保するために築造したものであり、古くは、江戸時代以前から現在に至るまで長年にわたり管理されてきたものもあります。  ため池には様々な機能が備わっており、水を使わない冬期や降雨時に水を蓄え、水が必要な時期に農地へ水を供給する貯水槽としての機能のほか、冷たい山水が一時的に貯留する過程で日光に当たり温まることを利用して、田植え時に温かい水を水田に供給する温水供給機能、梅雨の時期などの多量の雨水を急激に下流へ放出させないためのダムとしての機能もあります。そのほかにも、地域住民が集い、交流する憩いの場としての機能、様々な生き物が暮らし生物多様性を生み出す生態系保全の機能など、非常に多様な側面を持っており、農業用水の確保だけでなく、地域の暮らしの様々な場面をため池が彩り、支えております。  こうした多面的な機能を効果的に活用し、その恩恵を享受するためには、その管理と保全が必要不可欠であります。これまでから、所有者や管理者が定期的に草刈りをして、亀裂や漏水などを確認したり、貯水可能な水量を超えた水を安全に下流に流すための放流設備が流木などで詰まっていないかを点検し、必要であれば掃除をするなど日頃からの細やかな管理を欠かすことができず、所有者や管理者の労力は多大なものとなっております。また、近年多発する異常な大雨や大型台風など、想定を大きく超えるような雨が降り、限界を超える量の水がため池に流れ込むようなことになれば、たちまち決壊の危機に直面してまいります。  実際に、府内においても現実となったのが、平成30年7月豪雨であります。京都府福知山市の2か所を含む西日本の2府4県で32か所のため池が決壊し、特に広島県福山市では尊い人命が失われる被害が生じました。近畿地方以外でも、令和元年10月に伊豆半島に上陸した台風19号の記録的な大雨や暴風などにより、関東・東北地方を中心に大きな被害をもたらし、ため池12か所が決壊したところであります。そのほか、全国では毎年のように大雨が記録されており、管理が十分にされていないため池は決壊等が心配されるところであります。  私の地元の南丹管内は、ため池が京都府全体の約1,500か所に対し400か所以上が存在し、府内でも数多くのため池を有する地域であります。そのうち、決壊した場合、浸水区域に家屋や公共施設等が存在し人的被害を与えるおそれのある防災重点農業用ため池は、京都府全体約600か所に対し200か所以上と約35%を占め、府内で一番多い地域となっており、府営事業により順次必要な改修工事が進められているところであります。  例えば、亀岡市と南丹市の両市に広がる農地200ヘクタール以上を受益地として、堤高約40メートル、貯水量74万トンの府内最大級のため池である廻り池は、地震時の決壊を未然に防ぐために現在、堤体の補強工事が進められております。そのほか、4地区で工事が実施中で、うち2地区で今年度完了すると聞いております。  そこでお伺いいたします。  老朽化しているなど支障のあるため池については改修が必要と思われますが、どのように進められようとしているのか、お聞かせください。  ため池の管理・保全については、所有者や管理者である農業者の減少や高齢化による後継者不足が深刻で、日常の点検や管理手法の継承などについて、将来に不安を抱かざるを得ません。  先ほど申し上げましたとおり、維持管理労力は多大なもので、例えば水をせき止めている堤体の草刈りです。定期的に実施することで雑木が生えるのを防ぐのはもちろんですが、作業の中で漏水や侵食箇所を発見でき、決壊の原因を初期段階で断つ意味でも、草刈りは重要です。しかし、高齢者にとって急勾配の斜面での作業は大変厳しく、共同作業への参加もできなくなったり、農地の貸借による作付の変化や転用などにより、ため池を利用する農業者の減少もあるなど、これまでどおりの人手を確保することが難しい地域が増えてきております。  また、水管理ですが、水田に水を送るときはもちろんのこと、大雨が予想される場合は降雨を予想して事前に放流するなど、ため池堤体にある「ため池栓」を操作するわけですが、一見単純な作業も、下流の水路の大きさや潤す水田の面積等を考えながら、放流する量に応じたため池栓の開閉作業を繰り返すわけであります。この水管理一つとってみても、それぞれのため池の特性を理解し、多くの経験と知識が必要となってきます。  土地改良区が管理する場合でしたら、管理マニュアルのようなものを備えて組織的に管理していますが、それ以外のほとんどのため池の管理の場合ですと、兼業されている農業者が関わっている場合が多くあり、数シーズンかけて引き継ぐことが必要と言われる水管理をうまく継承できるか心配であります。  農業者の日々の努力によりため池が健全に保たれて初めて地域の安定的な農業生産を支え、かつ地域の安心・安全が確保されていることを考えますと、農業者の労苦に対して少しでも軽減されるような対策が必要ではないかと考えております。ため池それぞれの実態に応じて、ハード整備に合わせて管理対策を効率的に進めていくことが肝要と考えております。  そこでお伺いいたします。ため池の維持管理について、所有者や管理者等への支援などの取組状況、今後の対応をお聞かせください。  以上をもちまして私の質問を終わります。御清聴いただきまして、誠にありがとうございました。(拍手) 28: ◯議長菅谷寛志君) 水口農林水産部長。    〔農林水産部長水口裕一郎君登壇〕 29: ◯農林水産部長水口裕一郎君) 農業用ため池の改修についてでございます。  農業用ため池は、米作りに不可欠な水を貯留し供給する施設として大切に管理・保全され、地域の景観や生物多様性の保全等にも役割を果たす貴重な施設であります。一方で、想定を超える雨がため池に流れ込みますと、たちまち決壊の危機に直面し、下流に甚大な被害を及ぼす可能性があります。  そこで、国において、決壊のおそれがあるため池の改修を推進するため、令和2年10月に「ため池の防災工事等の推進に関する特措法」が制定され、京都府におきましても、令和3年3月に10か年の推進計画を策定したところであります。  計画では、人的被害が予想される防災重点農業用ため池約600か所について、まず2年間で外観の劣化状況の調査を行います。その結果、劣化が著しいと判断されたため池の地震や豪雨に対する耐久性の詳細調査を年間20か所程度行い、優先的に対策をすべきため池を選定し、改修や補強を進めることとしております。  調査初年度であります令和3年度には、24か所のため池が対策の必要なものと確認されましたが、府内には築造からかなりの年数がたっているため池が多いため、今後、調査を進めることにより対策をすべきため池が相当数に上ることが想定されます。  このため、本年5月、各広域振興局の農林部局に防災減災係を新設し、執行体制を強化いたしました。また、国の国土強靭化対策関連などの予算を積極的に確保し、特措法の期限であります令和12年度までに改修や補強工事を着実に進めてまいります。  次に、ため池の維持管理についてでございます。  貯留した水を水田等へ適切に供給するためには、日頃からの適正な維持管理が必要となりますが、農業者の減少や高齢化により維持管理における手法や技術の継承が懸念されております。  このため、令和2年3月に市町村等と設立した「京都府農業用ため池管理保全サポート協議会」におきまして、専門知識を有する指導員を管理者である自治会や農家組合へ派遣し、適正な維持管理が行えるよう技術指導や相談対応などを実施しているところであります。  さらに、維持管理の効率化のため、ため池の破損や漏水の発見に必要な草刈り、水管理などの定期作業にスマート技術を活用し、省力化を図ってまいります。具体的には、ラジコン草刈り機や遠隔監視システムによる水管理の導入実証を行っており、今後は、管理者に操作性や省力効果を体験していただくことで普及してまいりたいと考えております。  今後も、ため池管理者である農業者に寄り添いながら、改修工事や維持管理の支援を行い、農業用ため池の防災・減災対策を進めてまいります。 30: ◯議長菅谷寛志君) この際、午後2時50分を目途に本会議を再開することとし、休憩いたします。    午後2時28分 休憩            ─────────────────────    午後2時51分 再開 31: ◯議長菅谷寛志君) 休憩前に引き続き会議を行います。  次に、中村正孝議員に発言を許可します。中村正孝議員。    〔中村正孝君登壇〕(拍手) 32: ◯中村正孝君 自由民主党府議会議員団の中村正孝でございます。通告に従い、順次、知事並びに関係理事者に質問をさせていただきます。積極的な御答弁をよろしくお願い申し上げます。  まず最初に、移住促進についてお伺いいたします。  京都府においては、平成28年度から令和3年度まで「京都府移住の促進のための空家及び耕作放棄地等活用条例」に基づき取組を進めてこられました。その取組の実績については、移住者は平成28年度326人、平成29年度552人、平成30年度658人、令和元年度604人、令和2年度559人、令和3年度676人(予定)となっており、市町村窓口を含む移住相談窓口の相談件数は、平成28年度2,395件、平成29年度4,506件、平成30年度4,916件、令和元年度5,434件、令和2年度7,262件、令和3年度7,018件(予定)となっております。  移住促進特別地域の指定や空き家バンクへの登録、移住促進住宅整備事業として空き家改修支援などの取組を進めてこられました。しかし、日本全体の人口減少と都心への人口集中が重なり、地域経済・社会の保持のためには、地方への移住促進の動きを活発化しなければならない今、コロナ禍で移住への関心が非常に高まっています。新型コロナウイルスの蔓延によって、3密が避けられない一極集中型の社会の弱さが浮き彫りになり、テレワークやワーケーションなど地方での新たな働き方などに関心が高まるなど、地方移住を促進する好機となっています。  令和2年国勢調査によりますと、京都府の人口は257万8,072人のうち京都市内の人口は146万3,723人であり、実に府民の57%は京都市民であり、このような状況下、京都府の京都市一極集中による人口偏在や産業衰退といった課題を解決するためにも、移住促進は大変重要な施策であります。  そこで、京都府においては、都道府県で唯一の移住促進条例の全面改定案が昨年9月定例会で提案・可決され、4月1日から施行されました。その狙いは、近年の移住ニーズや働き方の多様化を受けて、様々なニーズに対応した移住を促進するとともに、移住者や関係人口が地域社会の担い手として活躍できる社会づくりを推進することにより、さらなる地域の活性化を図るとされています。  本年度から5年間の時限条例ですが、これまでにUターンや移住を検討される方にお話を伺いますと、「自然に囲まれて、アクティビティーも充実」「住宅購入が都会と違い安い」「子育て支援が充実している」「医療体制や教育環境について」等、様々なお声をお聞きしました。また一方では、移住者のニーズの高い空き家については、現実としては賃貸も売却もできないといった大きな課題も山積しているように思います。  そのような中、今回の改正の特徴は、移住促進特別区域の指定可能エリアを拡大し、加えて移住者のみならず地域活性化の役割を担う関係人口も、新たに支援対象として位置づけられたところであります。  そこでお伺いいたします。  先ほども申し上げましたように、平成28年度から令和3年度まで申し上げましたその見えてきた課題や新たな気づきをどのように整理し、評価されますか。  また、全面改正した条例の特徴として、移住促進特別地域の指定可能エリアの拡大が挙げられますが、改定前と改定後の大きな違いはどこにあり、改定後、具体的にどのように進めていこうとお考えなのか、お伺いいたします。  次に、京都府立農芸高校の現状と将来について伺います。  農芸高校は、公立高校で唯一の農業専門校として開校し、今年で創立40周年を迎えることになります。昭和58年4月に開校し、3学科360名の定員でした。1年生男子は全寮制、男子2年・3年生は選択希望入寮制であり、平成6年に学科改編が行われ、平成24年に学科群募集に変更し、令和2年にも学科改編が行われ300名定員となっています。  農芸高校の目指す教育とは、質実剛健の校訓の下、高校教育における普通教育と農業に関する専門教育を行うことにより、社会人基礎力を養い、農業教育で培った知識や技術を生かし、生命の尊厳を尊び、農業の発展及び環境保全に貢献する意識と実行力を備えた、社会の発展に寄与する人材を育成する。また、目指す学校としては、府内農業教育の唯一の専門高校として、地域や関係機関等に信頼される学校づくりを基本とし、1)社会から求められる人材を育成する学校、2)農業や農業に関連する分野で活躍する職業人を育成する学校、3)農業専門校としてふさわしい高度な専門性を追求する学校とされています。  また、令和2年度学科改編の狙いは、学習指導要領改定の趣旨と農業の6次産業化を踏まえ、新しい時代に対応した教育の推進と専門教育の一層の充実を図ること。そして、改編のポイントは、1)現行の学科群募集2年次から2学科8コース制を学科群募集1年次後半から3学科8コース制に改編し、より農業専門学習を深化させ、各コースの専門性を生かした希望進路、進学・就職の実現を目指す。2)地元関連企業、大学、関係機関等との連携により、各コースの特色を生かした農業の6次産業とスマート農業を踏まえ、地元地域の活性化に寄与する活動にさらに挑戦するとされています。  そこでお伺いいたします。  特に公立高校、専門校を取り巻く環境は、コロナ禍以前より生徒数の減少が大きな問題と捉えられており、全国の国公立・私立高校生徒数は、1989年の生徒総数579万人をピークとし、2019年には約337万人となるなど、この間、マイナス242万人と4割以上も減り続けています。厳しい状況下の中、京都府唯一の農業専門校として本年で40年を迎える農芸高校の現状について、教育長の御所見をお伺いいたします。  次に、将来構想についてお伺いいたします。現在、入学者が募集定員を充足しない状況が続いており、在籍生徒数は300名定員で179名、充足率は6割であり、大きな課題であります。志願者が募集定員を充足しない理由と原因としては、職業としての農業の安定的収入への不安を持つ中学生、保護者が多いこと。また、口丹通学圏の中学生の減少と普通科志向、他通学圏流出、私学への進学の増加、高額な通学費の負担等の課題が挙げられます。  一方では、近年、国庫補助による施設・設備の導入・更新計画により、温室の環境制御、牛の分娩・体調監視システム、ドローンなどのスマート農業技術の導入がなされ、GIGAスクール構想による生徒1台端末とともに農場を含めた校内のICT化により、生徒に対する教育効果の向上とともに教員の働き方改革に寄与するものと期待するところであります。  また、府農林水産部、府立大学生命環境学部との連携強化を行い、本校では国際水準GAPモデル農場設置事業、農と里を支える担い手育成事業、農業農村アプレンティスシップ事業、スマート畜産技術実装フラッグシップモデル事業等により、生徒の農業専門学習に対し様々な支援が行われています。  農業は、自然を相手に食料生産や環境保全に寄与する、我々人類の生命を支える基幹産業であり、その根幹にある農業という学問は、医学や理学、工学と同様に理系の学問、いわゆるサイエンスに属しますが、農業専門学校においては動植物や自然環境に対する合理的で科学的な根拠を求める学習とともに、命あるものを育て、生命や自然の恵みに感謝する体験的な学習を通して人としての成長を図る、いわゆる全人的な教育を実践する教育が農業教育であると考えています。  動植物や自然を相手に暑さや寒さをいとわず年間を通して体を動かすことは、額に汗する勤労の尊さや厳しさを体験的に学ぶことになります。この学びは、将来の社会人としての必要とされる大切な資質をしっかり育むことになり、これらのことは卒業生が農業や農業関連産業をはじめ、社会の様々な分野の第一線で立派に活躍している状況からも明らかであり、このことが高校における農業教育の魅力であり、有用性のあかしであります。進学、就職にかかわらず、多様な生徒の希望進路を実現している実績は、農業教育による人材育成の有効性であると考えております。  そのためにも、中学校及び中学生、保護者に対して、地域や校内で生き生きと活躍する本校生徒の姿を披露、発信することにより、農業教育の魅力やよさを今後PRすることが必要であると考えます。  また、このたびの新型コロナウイルス大流行は、「自然への畏敬の念を無視し、科学技術の進展をベースに経済性を優先し、グローバル化を進展させた人類がその責を負うべき」と既に英国の著名な感染学者が論じておると伺っております。そして、新しい生活様式とともに、感染症収束後には、食の安心・安全を担保する農業と農業教育に注目が集まると論じており、期待するところであります。  このような追い風を感じながら、農芸高校では、体験的・系統的な農業教育とともに、寮を設置する農業専門校として、学校生活、寮教育を通した全人的な教育の魅力を発信し、非農家の生徒が農業を就職に選択する時代を目指して、今後も信頼される農業専門高校として歩み続けたいと校長先生からお聞きしております。  そこで、お伺いいたします。  農芸高校の将来構想について、府教育委員会として専門教育の確保と関係機関への働きかけへの取組について、教育長の御所見をお伺いいたします。  最後に、太陽光発電の耕作放棄地とため池設置推進の取組について伺います。  再生可能エネルギーの主力電源化において、その切り札と期待される洋上風力発電が設置計画から稼働まで10年近くの期間を要することや、バイオマス発電に関しても、その燃料となる木材の輸入リスク、インフレリスクがあるため、短期的な解決策としてはなかなか難しい現状であり、比較的短期間で設置可能な太陽光発電の拡大が改めて注目されております。  京都府は、平成23年からスマート・エコハウス促進融資、平成27年事業者向け自立型再エネ等計画認定、平成28年、家庭向け自立型再エネ設備設置補助金、令和3年太陽光初期投資ゼロ導入支援、令和4年太陽光発電設備等共同購入事業等を進めてこられました。しかし、再生可能エネルギーの設置場所に関しては、昨年の熱海における乱開発による土石災害や近年多発する集中豪雨による土砂災害など、山に設置することは難しくなっております。
     近年では、再生可能エネルギーの設置のポテンシャルといたしまして、農地、ため池がその有望な設置場所と見込まれ、京都府にも多くのため池の有効活用ができるのではないかと考えているところであります。  まず、電力環境の変化は、日米金利差の拡大に伴う急激な円安に加え、ロシアとウクライナでの緊張などがLNG価格を高騰化させ、電力卸価格も例年の倍近い価格で推移。2020年10月26日の菅内閣所信表明演説で、2050年にはカーボンニュートラルとすることを宣言し、翌2021年4月には2030年度温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減することを表明されました。  しかし、日本は再生可能エネルギー導入主要国と比較しても、国土面積、平地面積当たりの太陽光発電設備導入容量がトップとなっている。とりわけ、国土における平地が他国と比較すると少なく、利用可能用地の減少が導入容量の減少に影響を与えていることがうかがえます。そこで新たに用地候補先として、耕作放棄地とため池が注目されています。  耕作放棄地に関しては約42万ヘクタール、耕作放棄地の一部を太陽光用地として転用できるよう、耕作放棄地の一部を太陽光発電施設に転用する際、一定の要件を満たす場合手続の円滑化、迅速化が図れるほか、整地費用がかからないため池に注目が集まっていると報じられています。  政府は、地産地消の再生可能エネルギー導入の促進や民間企業の投資モチベーションを高めるため、随時補助金を設定し、FIT・FIP制度によらない自家消費型や電力市場の新たな供給元の育成に補助する方針を設定している。近隣のため池での太陽光の設置は、兵庫県、岡山県等で、設置の目的は、ため池の管理者の高齢化、管理技術の継承、管理資金、草刈りの問題が課題と言われております。  そこでお伺いいたします。  本府における太陽光発電について、事業者向け、家庭向け太陽光初期投資ゼロ等、様々な取組を推進されてきたところでありますが、実績は目標に対してどのような状況であるのか、また課題としてどのようなものがあるのか、お伺いいたします。  また、さきに述べましたように、本府として耕作放棄地への取組とため池への設置についてのお考えをお伺いいたします。よろしくお願いします。 33: ◯議長菅谷寛志君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 34: ◯知事西脇隆俊君) 中村議員の御質問にお答えいたします。  これまでの移住促進の取組から見えた課題と気づき、評価及び条例改正を受けた今後の展開についてでございます。  京都府では、平成28年度から「京都府移住の促進のための空家及び耕作放棄地等活用条例」に基づき、農業と農村の活性化を図るため移住を促進してまいりました。平成28年度から令和3年度までの6年間で、移住者は326人から676人へと約2倍に、移住相談窓口での相談は、2,395件から7,018件へと約3倍に増加いたしました。令和3年度の移住者のうち約6割が農村の移住促進特別区域に移住され、1割弱が専業農家になられるなど、農業の振興や農村の活性化に大きな役割を果たしてきたところでございます。  一方で、約4割の方は移住促進特別区域以外へ移住されているほか、京都への移住を希望されながら、働く場の確保や生活環境の面でニーズに応えられず、移住につながらない方も多くおられました。さらに、コロナ禍を経験する中で、働き方に対する考え方も変化してきており、テレワークを活用しこれまでの仕事を続けながら移住されるなど、ニーズも多様化しているところでございます。  このような移住希望者の多様なニーズに応えながら、京都への移住につなげていくことは、少子高齢化が進む中、地域の活力向上と持続的発展を図る上で重要であると考え、条例の全面改正を行ったところでございます。  本年4月に施行した京都府移住の促進及び移住者等の活躍の推進に関する条例におきましては、移住対象地域を農村部に加え地域の中心地区にも拡大いたしますとともに、移住支援策につきましても、農地の確保や住宅改修だけでなく、子育てにやさしいまちづくりや働く場づくりなどの環境整備への支援も加えたところでございます。  今後、医療や教育環境などの生活環境に関する情報発信に加え、移住サイトやSNS等も活用して、先輩移住者の体験談など移住者が望む多様なライフスタイルに対応した情報を積極的に発信していくこととしております。  また、今定例会におきまして、移住者の協力を得ながらまちづくりを進める市町村への支援を行うとともに、移住のインターンシップとなる就業や暮らしのお試し体験などにより、移住後の生活を実感していただき、地域への定住促進につなげるために必要な予算を提案しております。  今後とも、市町村をはじめ多様な主体と連携し、人々を京都に引きつけ、府内全ての地域が活力にあふれるよう、京都ならではの移住に取り組んでまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。 35: ◯議長菅谷寛志君) 益田府民環境部長。    〔府民環境部長益田結花君登壇〕 36: ◯府民環境部長(益田結花君) 太陽光発電のため池設置推進の取組についてでございます。  京都府におきましては、2021年3月に「京都府再生可能エネルギーの導入等促進プラン」を改定し、2030年度の再エネ導入割合を25%まで引き上げる目標を掲げ、導入量の約半数を太陽光発電で賄う計画としております。  この間、京都府では、家庭や中小企業等への太陽光発電設備と蓄電池の同時設置に対する補助制度や低利融資制度などの対策を講じることにより、2015年度から2020年度までの5年間で太陽光発電の導入量は約1.7倍に増加いたしましたが、2020年度時点での再エネ導入割合は11.7%にとどまっており、目標の達成に向けては、現在の太陽光発電の導入量を倍増させる必要がございます。  太陽光発電の導入が進んでいない要因といたしましては、固定価格買取制度による電力の買取価格の低下に加え、依然として初期投資の負担感が大きいことや導入適地が減少していることなどが挙げられます。  そこで、負担感の解消に対しては、初期費用が不要な「ゼロ円ソーラー」に対する支援や、より安価な太陽光発電設備等の購入機会を提供する共同購入制度など、多様な導入支援策に取り組んでいるところでございます。  また、導入適地の減少に対しては、議員御指摘のとおり、耕作放棄地やため池等の未利用地を活用した地域共生型の太陽光発電の導入にも取り組んでいく必要があると考えております。  耕作放棄地につきましては、市町村や地元の方々と連携して営農型太陽光発電の導入促進に向けた適地調査等に取り組んでまいりたいと考えております。  ため池につきましても、水上太陽光発電を設置する取組が始まっており、太陽光発電の導入場所として期待をされております。一方で、水上太陽光発電を設置する際には、ため池の管理保全や農業用水の利水等に影響を与えないようにすることが重要とされております。さらに、水上太陽光発電は、一般的な太陽光発電より設計や施工が難しいとされており、国においては、技術的要件の整理や設置ポテンシャル調査を進めながら、ため池等を活用した太陽光発電の導入を支援されているところでございます。  京都府といたしましては、今後、国の調査結果や先進事例等も参考にしながら、府内でのため池を活用した地域共生型の太陽光発電の導入が進むよう、調査・研究してまいりたいと考えております。 37: ◯議長菅谷寛志君) 前川教育長。    〔教育長前川明範君登壇〕 38: ◯教育長(前川明範君) 中村議員の御質問にお答えいたします。  府立農芸高校の現状についてでございます。  議員御案内のとおり、同校は府内唯一の農業教育の専門校として、将来の農業の担い手、あるいは関連分野で活躍できる人材を育成するため、専門性の高い教育に日々取り組んでいるところでございます。  同校は、亀岡牛の肥育農家として和牛の魅力発信に取り組んでいる方や、造園業を営み寺社仏閣の庭園の維持管理に尽力している方など、地元京都の農業や文化など専門分野において活躍する人材のみならず、広く有為な人材を輩出しており、こうしたことも農芸高校の全人教育の成果だと考えております。  また、時代の変化にも対応するため、最近では最先端の農業に関する知識や技能の習得による生産物の高品質化、ブランド力の向上にも積極的に取り組んでおり、こうした取組をさらに進めるため、昨年度にはGPSやIoT技術、ICT等の先端技術を駆使した設備機器の大幅な導入等を行い、教育環境の充実を図ったところでございます。  さらに、消費者の食の安心・安全に対するニーズに対応するため、適正農業規範に関する国際標準である国際水準GAP認証について、平成29年以降5年連続で施設トマトの認証を取得するとともに、昨年度には施設メロンも追加認証されるなど、全国で見ても先進的な取組を進めております。  このように様々な取組を進めておりますが、議員御指摘のとおり、現状では中学校卒業生徒数の減少や普通科志向の高まり、職業としての農業の将来性に不安を持つ中学生や保護者の増加など、同校を取り巻く環境は厳しい状況にあります。一方で、入学した生徒たちは、同校の多彩な農業教育の中から自分の取り組みたいことを見つけ、目的意識を持って生き生きと高校生活を過ごしております。  こうしたことを踏まえ、農芸高校を志望する生徒の確保に向け、農業教育の基幹校としての実践や常に新しいことにチャンレンジしている先進性、それに取り組む生徒の姿など同校の魅力を中学生や保護者にしっかりと理解いただくことにより、積極的な学校選択につながるよう、中高連携や情報発信の充実に一層取り組んでまいりたいと考えております。  次に、農芸高校の将来につながる教員の確保についてでありますが、農業や関連分野で活躍する人材の育成には、高い専門性を有する教員の確保が必須であります。そのため、昨年度の教員採用試験から、農業のスペシャリスト特別選考を実施し、造園技術や造園デザインに関する専門的知識や技能を兼ね備えた教員を採用し、農芸高校に配置したところでございます。今後とも、技術革新の伸展等に対応した職業教育の充実に向け、優秀な教員の確保に努めてまいります。  次に、将来構想や教育内容のさらなる充実・発展に向けた関係機関との連携についてでありますが、令和2年度から府立大学と連携協定を締結し、大学と高校で独自の農業専門教育モデルを構築すべく取り組んでおります。また、府立農業大学校との連携に向けては、継続的な学びを構築する取組や地域企業連携、スマート技術の習熟などについて、共同で検討しているところです。  さらに、今年5月に畜産農場における飼養衛生管理の取組の基準である、農場ハサップの認証を西日本の高校で初めて取得いたしました。こういった企業と連携した実践も、さらに進めていきたいと考えております。  府教育委員会といたしましては、農業教育の充実に加え、将来に向けた農業振興や人材育成のためには、高校と企業や大学、農業大学校、また府の農業行政を担う農林水産部との連携は欠かせないものと考えており、そうした関係機関と連携しながら、今後とも農業教育の基幹校として農芸高校がより一層飛躍していけるよう、しっかりと取り組んでまいります。 39: ◯議長菅谷寛志君) 中村正孝議員。    〔中村正孝君登壇〕 40: ◯中村正孝君 どうも御答弁ありがとうございました。  いろんな思いもありますけれども、特に移住については、倍ということでお話もいただきました。私自身も、今、亀岡で、いろんな移住者が多く市のほうに相談に来られますけれども、しかしなかなか現実問題としてうまくマッチングしない。その課題は、先ほども申し上げましたように、たくさんの家はありますけれども、実際はなかなか賃貸もしない、売却もしないという課題があるというふうに思います。そういったところを今後も、行政と自治会、連携して取り組んでいただきますようお願い申し上げて、私の全ての質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 41: ◯議長菅谷寛志君) 次に、馬場紘平議員に発言を許可します。馬場紘平議員。    〔馬場紘平君登壇〕(拍手) 42: ◯馬場紘平君 日本共産党の馬場紘平です。通告に基づき、知事並びに関係理事者に質問いたします。  まず、水道の広域化・民営化についてでございます。  現在本府では、国が策定を求める広域化推進プランの策定作業を今年度末の発表に向けて進めておられます。そうした中で、同時に、今年度末に改定を迎える京都府営水道ビジョンの検討部会が5月19日に開かれ、そこで示された検討案には広域化・広域連携については、「受水市町のみならず、利用者である住民の十分な理解を得る必要がある」「長期的な検討・調整の期間を要します」としながら、「企業団方式も視野に検討を進める」と明記し、受水市町に示す選択肢の例として示されているのは、企業団経営を「浄水場の企業団管理」「浄水場の企業団による保有管理」「配水池も含む全てを保有管理する」、このどのレベルにするのかというふうになっています。  さらに、5月に行われた北部・中部・南部の圏域ごとの水道事業広域的連携等推進協議会では、水道グランドデザイン改定の検討案が示され、公民連携の推進として、包括的民間委託や指定管理者制度、コンセッションを含むPPP・PFIなど、最適な民間手法があれば積極的に推進することが明記されています。広域化についても、特に北部圏域については、北部の全ての水道事業者を対象に綾部市、宮津市、京丹後市、伊根町の5浄水場と1配水池を廃止し別施設に統合する案、北部3市を対象に福知山市、舞鶴市、綾部市の7浄水場と3配水池を廃止し、新たな浄水場と配水池を建設する案の2案が、具体的な浄水場や配水池の名前まで挙げてシミュレーションされています。  そこでお伺いします。  これまで、広域化ありきではないかと指摘しても、「各市町が判断すること」「あくまで選択肢の一つ」とし、民営化の流れについても「民営化を検討している府内自治体はない」と答えてきました。しかし、今回示された検討案に見られるように、京都府が示す方向は国が進める基盤強化イコール広域化・民営化という流れそのままになっていると考えますが、知事の御所見をお聞かせください。  また、こうした重要なことが府民に明らかにされずに進められていることは、極めて重大です。全国では、先行的に広域化や民営化する自治体があり、既に様々な問題が指摘されています。  宮城県では、広域化の議論に先立って、コンセッション方式により昨年12月に上下水道・工業用水の運営権を設定する契約をメタウォーターやヴェオリアなど10社が出資する特定目的会社との間で結び、今年4月から民間企業による運営がスタートしています。都道府県単位で運営権を売却するのは、宮城県が初めての事例です。  先日、宮城県で民営化ストップの運動などに取り組んでこられた方々にお話を伺いました。運営会社の中核企業はメタウォーターとされていますが、メタウォーターはフランスの水メジャー、ヴェオリアの子会社が株式の51%を有するなど、実質的にはヴェオリアによる運営になっていること。株主企業にはオリックスや日立製作所、東急建設などが入っており、維持管理などもそうした企業が独占していくのではないかと地元企業の中で怒りの声が上がっていること。県民負担を抑えることや適正な業務の確保について、県との協議など様々な規定はあるものの、十分に保障できるものになっていないこと。現在、本府と同様に検討が進められている広域化推進プランの作成を、運営会社の株主に名を連ねる株式会社日水コンが請け負うという、出来レースのような事態まで起こっていることなど、様々な実情をお聞きしました。  今回、お話を伺って、これまでも本会議の中で、浜松市の下水処理場のヴェオリア社への運営権売却で起こっている実態を取り上げてきましたが、「維持管理の工事などから地元企業が排除されている」「役員報酬など経営状況についてもブラックボックスで、議会や住民にも明らかにされない」など、まさに宮城県でも同様のことが現実になろうとしていることを強く感じました。  先行自治体の例を見ても、水道事業に与える影響は極めて重大で、府民生活に大きな影響を及ぼすものです。  ところが、例えば府内最大の事業者である京都市について、市は「広域化などは考えていない」と議会で答えていますが、府の検討案では「京都市や府営水道、中核的な事業者は、引き続き府とともにリーダーシップを発揮し、広域化を先導する役割が期待される」と明記されていますが、こうしたことが府民・市民には全く明らかにされていません。このように府民的に明らかにせずに進めることは許されないと考えますが、知事の御所見をお聞かせください。  今、求められているのは、水道法の精神の根幹にある、清浄で低廉な水をしっかりと守るということで、そのために各水道事業者が事業を継続することをどう保障するかということだと考えます。そうした観点で府営水道ビジョンの素案を見ると、様々な課題があるのではないでしょうか。  素案では「施設規模の適正化」として、現在18ある市町の浄水場のうち12浄水場を統廃合対象とする大規模集約、府施設も含み9浄水場を統廃合対象とする小規模分散の2つの統廃合案が改めて示され、今後はこの案を基に議論を進めるとしています。同時に、その2案と現状維持を比較した場合、収益的支出、平均給水原価が長期的にどうなるのかの試算が示され、収益的支出では今後40年間で、大規模集約では129億円、小規模分散で71億円の削減。平均給水原価では同じく5.6円、3.1円の削減が見込まれるとしています。  しかし、よく見ると、2018年から2022年の収益的支出予測が771億円で、40年後の2053年から2057年の予測は、現状維持ケースでは1,009億円、大規模集約ケースでは973億円、小規模分散ケースでは963億円と、その差はそれぞれ36億円、46億円と単年度の負担軽減は極めて限定的なことが分かります。平均給水原価も同様に、現在227.8円が40年後の予測では現状維持で421.2円、大規模集約では406.0円、小規模分散では402.2円と大幅な水道料金の引上げは余儀なしということになっています。これでは、今ある課題を解決するものになっていないと言わなければなりません。  そこでお伺いします。こうした計画になるのは、そもそも背景にある過大な水需要に基づいて進められてきた施設整備があるにもかかわらず、その責任を横に置いて進めようとするからです。これまでの進め方の総括が必要です。そして、府民にしわ寄せを押しつけるようなことではなく、自己水を守り、各自治体の水道事業を守ることに本府が責任を持つべきと考えますが、いかがですか。  ここまで御答弁をお願いいたします。 43: ◯議長菅谷寛志君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 44: ◯知事西脇隆俊君) 馬場議員の御質問にお答えいたします。水道の広域化についてでございます。  水道事業が将来にわたり安心・安全な水道水を供給していくためには、事業の基盤強化が求められております。国からは、基盤強化策の一つとして、令和4年度中の水道広域化推進プランの策定要請があり、また市町村からも、広域的な観点での基盤強化策の検討が必要との意見が出されております。  このような中、府営水道給水エリアの水道事業においても、基盤強化に当たって府営水道と受水市町が一体となって様々な課題に対応していくことが不可欠であり、現在、府営水道ビジョンの策定作業を通じて、府営水道と受水市町の垣根を越えた幅広い視点から、地域全体の水道事業の在り方を議論しているところでございます。  ビジョンの検討案では、将来の水需要に応じて府営水道と受水市町の施設を合わせた全体の中での適正な施設規模と配置について、府営水道が作成した複数の施設配置案を基に議論し、10年間の計画期間内に施設整備方針を定めることを目標にしております。また、経営を一体化することで全体最適を目指した合理的経営が可能になり、有効な基盤強化策の一つとなることから、受水市町との企業団化による経営の一体化を含めた、経営形態のあるべき姿についての検討にも着手することとしております。  これらの検討に当たっては、受水市町と十分な意見交換を行い、基盤強化に向けた方策を検討する中で多様な選択肢を示しつつ、その中から受水市町が地域の実情に応じた方策を選択できるよう議論を進めてまいりたいと考えております。  また、住民の皆様やそれぞれの議会に対する丁寧な説明が重要であることから、京都府営水道事業経営審議会やビジョン検討部会といった公開の場で議論し、パブリックコメントにより府民の意見を反映することとしております。  今後とも、府営水道は受水市町とともに業務の共同化や施設の一体管理など、効果の見込める連携事業を取り入れながら、地域の水道事業を守るという共通の目標の下、真摯に議論し、基盤強化に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては関係理事者から答弁させていただきます。 45: ◯議長菅谷寛志君) 益田府民環境部長。    〔府民環境部長益田結花君登壇〕 46: ◯府民環境部長(益田結花君) 各自治体の水道事業への支援についてでございます。  京都府では、これまでも人材育成や技術力向上のための研修会の開催や、市町村水道施設耐震化促進事業補助金やふるさとの水確保対策事業補助金による財政支援などにより、市町村水道事業の基盤強化を図ってまいりました。  さらに、府営水道においては、未利用の水源費について受水市町に料金負担を求めないこととし、これにより生じた約91億円の累積欠損金については、議会の議決を経て減資により解消を図るなど、府民負担の軽減に努めてまいりました。  今後とも、府民生活のライフラインである水道事業を持続可能なものとするため、広域連携などを含め、府営水道は受水市町とともに事業の基盤強化が図られるよう、努めてまいりたいと考えております。 47: ◯議長菅谷寛志君) 馬場紘平議員。    〔馬場紘平君登壇〕 48: ◯馬場紘平君 1点再質問させていただきたいと思います。  多様な選択肢を示す、公開の場での議論を行っていくということがありまして、この間も、広域化、民営化ありきではない、押しつけではない、明らかにしながらやっていくんだというふうにおっしゃってきたんですけれども、ここへ来て、府から出されている資料はどれも、このままでは大変なことになりますよということと、その方向性は広域化しかありませんよということしか現状は示されていないわけで、多様な選択肢ということにはなっていない。これでは結果的に、自治体に対して広域化や民営化を迫っていくということになっていくのではないかというふうに思いますけれども、その点についてはどのように考えているのか、お答えください。 49: ◯議長菅谷寛志君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 50: ◯知事西脇隆俊君) 馬場議員の再質問にお答えいたします。  先ほども答弁いたしましたけれども、この全体の検討に当たりましては、受水市町と十分な意見交換を行いまして、様々基盤強化に向けた方策を検討する中で、多様な選択肢を示しながら地域の実情に応じた方策を選択できるように議論を進めてまいりたいという基本的な姿勢でございます。ただ、広域化も例えば経営形態のやり方につきましても、具体的に選択肢を示さないと具体の議論が進まないということもございまして、選択肢を示している段階でございます。  いずれにしても、水道事業をめぐる状況は非常に厳しいものがございます。最終的には、そうした厳しい状況の中で水道事業の基盤を強化して、府民の皆様に安心・安全な水道を供給するという受水市町、我々共通の目標の下に、真摯に議論を進めてまいりたいと考えております。 51: ◯議長菅谷寛志君) 馬場紘平議員。    〔馬場紘平君登壇〕 52: ◯馬場紘平君 再質問の答弁も、基本的には同じ中身になっていまして、多様な選択肢を示しながら議論しながら進めていくんだというお話だったんですけれども、現状示されているものはそうなっていない。大変だから、このままでいけば大変なことになるんだ、その結果その解決の方向性をどうするのか、多様な選択肢と示されているのは、広域化や民営化の方向性しか示されていないということになっていて、それでは結果的に、自治体に対してそうした方向を迫っていくことになるのではないかというふうに、このことは厳しく指摘をしたいと思います。  水道は、暮らしに直結する極めて重要なインフラです。だからこそ、水道法には清浄で低廉な水を供給するということが目的とされてきました。ところが、この間の法改正の中で、広域化や民営化、こうしたものが入ってくるということの中で、自己水が守られずに広域化や民営化という方向がどんどんと全国で進められていっているということになっているわけです。だからこそ、自己水を守って市町の水道事業こうしたものを守るという本府の責任が、いよいよ重要になっている。このまま府民に明らかにすることなく、自治体に対して広域化や民営化を押しつけるようなことは絶対にやめるべきだと、このことについては強く求めておきたいと思います。次の質問に移ります。  次に、建設業に係る原油・原材料高騰の影響についてお伺いします。  そもそも建設業界では、アベノミクス以降、リニア新幹線やオリンピック事業など、スーパーゼネコンなどの大手企業では建設業バブルと言われるような状況がある一方で、他の産業と比べても低い所得や厳しい労働環境などを背景に、特に地域の中小事業者などを中心に、若手技能労働者の確保が困難になる中で、技術継承が難しくなってきました。
     そうした中で、原油・原材料高騰がどんな影響を与えているのか、全京都建築労働組合が、今年3月に行った組合員へのアンケート調査によりますと、製材関係は軒並み10%を超える値上がりで、一部では40%を超えるものもあります。しかも、これは直近の値上げだけで、コロナ禍以降のウッドショックの値上がりを加えますと、製材価格は1.7倍から2.3倍もの値上がりになっています。さらに、住宅設備や内装、水道、足場や生コン、廃材処理など、値上がりはあらゆる分野に及んでいることが分かります。  お話を伺った鉄筋工事業の方は、「通常見積もりは3か月有効。しかし、値上がりが急激過ぎて見積もりも慎重になる。そうなると、今度は仕事が取れない」「そもそも交通費などないので、ガソリンなどの値上がりはそのままかぶらざるを得ない」。塗装業の方は、「自分は材料持ちではないので影響は限定的だけれども、頑張って自前の仕事を取ってくる人は、材料高騰の影響をまともに受けている」。重層下請や材料持ち、手間請けなどによって、影響の度合いが様々になる建設業界ならではの実情についてお話をいただきました。府としても対策の強化が求められていると考えます。  そこでお伺いします。  本議会には、補正予算として、原油価格・物価高騰等小規模事業緊急支援事業費や道路運送事業者・地域公共交通原油価格高騰対策事業費が提案されています。しかし、その中身は、省エネ機器やシステム導入などの設備投資への支援、運送業や公共交通事業者向けの支援に限られています。これでは、建設事業者など、影響の現れ方が非常に多様であることや、影響が非常に幅広い分野に及んでいる方などに全く対応できません。コロナ禍はもちろん、そこへ原油・原材料高騰が追い打ちをかける中で、建設業も含む全ての中小事業者が事業継続できるよう、家賃や水光熱費などの固定費への支援を実施すべきと考えますが、いかがですか。  さらに、労働環境の改善も待ったなしです。国は、4月1日以降の直轄事業の入札について、大企業で3%以上、中小企業で1.5%以上の賃上げを表明した入札参加者に対して、総合評価方式での加点を実施しています。賃金など労働環境の改善による若年者の確保が急がれる課題となっている中で、一歩前進と言えると思います。しかし、多くの中小事業者にとっては、原資の確保なしに賃上げすることそのものが難しいのが実態です。また、元請事業者に雇用されている労働者であれば賃上げされる可能性はありますが、一人親方など多くの現場労働者の中にも賃上げの効果をもたらすためには、国の取組は十分とは言えません。  そこで伺います。  そもそも府として、国が公共事業でも賃上げに対するインセンティブに踏み切る中で、府発注の事業について同様に賃上げを後押しするような制度の実施について、その必要性はどのように考えておられますか。また、末端の労働者まで賃上げが届くことを保証するためにも、賃金条項を含む公契約条例の実施が必要と考えますが、いかがですか。  最後に、地元伏見区の伏見港周辺の整備についてお伺いします。  伏見区にある伏見港は、1594年に豊臣秀吉が伏見城を造成するに当たって整備され、大阪との水運の重要な拠点として役割を果たしてきました。物流手段の変化に伴い、水運の拠点としての役割は終えたものの、現在も港湾として指定される極めて珍しい河川港です。周辺には、「○○浜町」など、物流拠点としての役割を果たしてきた歴史を物語る町名が多く残されています。また、周辺遊歩道などが整備され、十石船や三十石船での遊覧も行われています。  このように伏見港は、観光資源としてはもちろん、地域の歴史を語る上で欠かすことができない重要なものとなっています。その伏見港が昨年4月に、国の「みなとオアシス」に登録され、宇治川派流などを含む周辺の整備が進められる計画となっています。その一環として、宇治川派流では、かつて多くの商いが営まれてきた歴史的経過の中で残された元畳店の建物が、ようやく所有者と協議が調い除却され、地域の方も喜ばれています。  この間、私も松尾孝元府会議員から引き継ぐ形で建物所有者から相談を受け、京都府土木事務所との協議などに関わってきた関係もあり、改めて関係職員の方々の御努力に感謝を申し上げたいというふうに思います。  一方で、本当の意味で伏見港の魅力アップにつなげるためには、極めて狭隘な周辺道路の改善、十石船の乗り場へのアクセスのバリアフリー化、将来にわたる適切な維持管理、中書島駅の北側の南新地地域の広大な未舗装道路の解消など、地域の方々からは、周辺の課題解決も含めて実施する必要があるとの声が聞かれます。  まず、こうした声についてどのように把握をされているのかお答えください。また、整備が地域全体の活性化につながっていくためにも、周辺整備に当たっては地域住民の声を幅広く聞くことが重要で、そのためにも地元説明会や意見交換会などの実施を検討すべきと考えますが、いかがですか、お答えください。 53: ◯議長菅谷寛志君) 上林商工労働観光部長。    〔商工労働観光部長上林秀行君登壇〕 54: ◯商工労働観光部長(上林秀行君) 中小企業者への固定費支援についてでございます。  固定費支援など事業継続や雇用維持のベースとなる支援は国が担い、京都府は、地域の産業特性に合わせた補助制度や事業者へのきめ細やかな経営支援などを担うことが重要であると考えております。そのため、国に対して、持続化給付金の再給付や雇用調整助成金の特例措置の延長を繰り返し求めてまいりました。その結果、事業復活支援金の創設や雇用調整助成金の特例措置の延長が実現したところです。  京都府においても、中小企業の設備の省エネ化などのハード支援に加え、省エネ診断士等の派遣を通じたソフト支援を一体的に実施することで、建設業を含む幅広い業種で、固定費削減につながる経営効率化を支援してきたところです。  今定例会においても、小規模事業者を中心に省エネ対策や経営効率化等の取組を支援するために必要な予算案を提案しております。引き続き、あらゆる施策を総動員することにより、事業者の事業継続と雇用維持に全力で取り組んでまいりたいと考えております。 55: ◯議長菅谷寛志君) 濱田建設交通部長。    〔建設交通部長濱田禎君登壇〕 56: ◯建設交通部長(濱田禎君) 京都府発注の事業に係る賃上げ制度の導入についてでございます。  国による総合評価競争入札における賃上げを実施する企業に対する加点措置につきましては、現場で働く方々の収入を引き上げる方向に導くため、この4月から全ての調達を対象として導入されたところでございます。  建設業における賃上げについては重要な課題と認識しておりまして、京都府といたしましては、府内建設企業の経営体質強化に取り組み、賃上げができる環境整備に努めてまいりました。具体的には、平成24年に公契約大綱を制定し、府内企業への発注の原則化、重層的な下請構造の改善、下請負先を府内企業とすることの要請などに取り組むとともに、国と連動した設計労務単価や諸経費率の引上げを実施してまいりました。  また、最低制限価格等の見直しについても、速やかに実施しているところでございまして、元請、下請の収益構造を改めることと併せて、工事従事者の賃金水準の適正化に努めてきているところでございます。  今後とも、安定した事業量を維持するとともに、原則府内発注をはじめとする公契約大綱に基づく取組を進め、企業の適正利潤を確保することで工事従事者の賃金水準の上昇につなげてまいりたいと考えております。  賃金条項を含む公契約条例の制定についてでございますが、労働者の賃金等の労働条件は、労働基準法等の関係法令に反しない限り、労使が自主的に決定することとされており、最低賃金法とは別に条例等で賃金の基準を新たに設けることにつきましては、慎重に対応することが必要でございます。また、労働者の賃金問題は、公契約のみならず私契約を含めた統一的な見地からナショナルミニマムとして労働法制の中で対応されるべきものと考えております。  続きまして、伏見港周辺の整備についてでございます。  全国唯一の内陸河川港湾でございます伏見港は、京都府、京都市と地元商店街や観光協会、周辺に駅を有する鉄道事業者などが連携して、周辺地域のPRや地元の機運醸成に取り組んできた結果、令和3年4月に国土交通省により「みなとオアシス」に登録されました。  「みなとオアシス」を運営していくに当たりましては、地域の意見を十分に把握する必要がありますことから、京都府、京都市に加え、伏見区市政協力委員連絡協議会、NPO法人伏見観光協会、伏見桃山がんばる7商店街など、多くの地元住民の代表組織が参画する運営「まちづくり協議会」を設立したこところでございます。  議員御紹介の十石船乗り場のバリアフリー化などの御意見があることもお聞きしておりまして、でき得るものから順次着手することで伏見港周辺地域の魅力をさらに高め、水と歴史を生かした、「みなと暮らし」を楽しめるまちづくりを目指すこととしております。また、協議会では、令和3年10月に伏見の港を中心としたまちづくりへの意見募集を実施するとともに、令和4年5月には「みなとオアシス」に係るまちづくりビジョンへの意見募集や伏見港のにぎわい拠点となるエリアの愛称募集を行うなど、地域内外から幅広く御意見をお伺いし、今後の運営に反映することといたしております。  今後とも、皆様からいただいた御意見を生かした運営を心がけ、伏見港周辺地域の魅力を高めることで、幅広い方々から愛される「みなとオアシス」となり得るよう取り組んでまいります。 57: ◯議長菅谷寛志君) 馬場紘平議員。    〔馬場紘平君登壇〕 58: ◯馬場紘平君 まず、「みなとオアシス」に係る整備についてですけれども、運営協議会をつくっていただいていることも存じ上げておりますし、様々な団体が入っていっていただいているということも存じ上げております。  ただ、例えばサポーター制度をつくっていただいて取組をされているんだけれども、現状、入っていただいているのは40名程度。これを見ても、なかなか地域の住民の中にこうしたものが浸透しているかというと、非常に心もとないところがある。意見聴取についても、まちづくりビジョンに関する意見をネットでお寄せくださいというふうに言われていますけれども、そういったものも含めてなかなか知られていないという中で、だからこそ、広く意見を聞くような場をしっかりと持っていただくことが必要ではないかなというふうに思っています。その点については、ぜひ前向きに検討いただきたいというふうに思います。  建設業の賃上げについて、再質問を1点したいと思います。  設計労務単価については上がっていますよということがずっと言われてきていて、今回もお話がありましたように、重要な課題だと言いながら、実際にやっているのは、例えば大綱やその中にある元下指針ということになっていて、考え方は示していただいているけれども、それがしっかりと現場のところに届いているかということを見ると、そうしたところでいうと、例えば京建労の皆さんが取り組んでおられる毎年の賃金アンケートの最新のものを見ましても、この10年間で設計労務単価が142%上がっているのに、実質賃金は一人親方では113%、職人に至っては103%しか上がっていない。そういった実態もあって、その差はどんどん広がっていくという状況にあります。  こうした状況があるにもかかわらず、府として、先ほど御紹介いただいたような取組をしていますよ、重要な課題ですよと言いながら、実態調査すらしない。これでは行政の役割を果たしていないと言われても仕方がないのではないかというふうに思いますけれども、その点についてはどのように考えているか、お答えください。 59: ◯議長菅谷寛志君) 濱田建設交通部長。    〔建設交通部長濱田禎君登壇〕 60: ◯建設交通部長(濱田禎君) 設計労務単価についての再質問に御答弁いたします。  設計労務単価につきましては、国や都道府県などの発注者が下請を含む労働者を対象に賃金台帳等と照合しながら綿密に実態を調査した上で設定してございます。  府内の平均設計労務単価は、平成25年度以降実勢賃金の上昇が認められたことなどから引上げを行い、10年間で約46%の上昇となっております。一方、建設労働者の賃金は、公共と民間、工事の規模、内容、受注額などにより、労使間で総合的に決められるものであり、設計労務単価は労働者に支払われる実賃金を拘束するものではありません。  京都府といたしましては、引き続き、設計労務単価の引上げが現場の建設労働者の賃金に適切に反映され、また設計労務単価の引上げと賃金水準の上昇が好循環となって継続されるよう、今後とも、国などとともに建設業関係団体に適切な賃金水準の確保を要請してまいりたいと考えてございます。 61: ◯議長菅谷寛志君) 馬場紘平議員。    〔馬場紘平君登壇〕 62: ◯馬場紘平君 御答弁をいただいたんですけれども、確かに設計労務単価が現場労働者に払われる賃金を縛るものではない、これは確かなんだけれども、一方で、例えばこの間、地元の建設業が果たす役割については、議会でさんざん、まちづくりや安心・安全に極めて重要な役割を果たしていただいているというふうにおっしゃってきたし、先ほども御答弁の中で、賃金の引上げというのは極めて重要だというふうにお答えいただいた。建設業というのは、大部分が人間が担うところなわけですね。そうしたところの技能労働者をどうやって確保していくのかということが課題になっているときに、「公契約大綱でやっています」であるとか、「最終的には国にお願いをします」ということだけで、府としては考え方を示してお願いをするだけで、実際にそこの賃上げをどのように保障していくのかということについては背を向けるというのは、行政としての役割を放棄だと言わなければいけないと私は思うし、少なくとも、現場労働者の皆さんから、設計労務単価に見合って賃金が上がっていけるような状況をつくってほしいということについては、その実態をしっかりつかむということが必要ではないかというふうに思います。  原油・原材料高騰などの影響への対策はもちろんですけれども、人手不足の最大の保障である賃上げ、こうしたものを改善していくためにも、賃金条項を含む公契約条例の実施を早急に決断することを求めて、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)            ──────────────────── 63: ◯議長菅谷寛志君) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  明6月21日午後1時15分から本会議を開きますので、御参集願います。  本日はこれをもって散会いたします。    午後4時1分 散会 発言が指定されていません。 ↑ ページの先頭へ...